カーテンの隙間から朝の光がのぞいている。いつもと同じ時間に起きた。でもいつもよりすこし気温が高い今日の部屋。そして隣で寝息を立てている彼。そこが最大の違い。
「・・・・・・」
思わず口元が緩むのを止められない。普段無愛想な彼からどうしてこんなあどけない姿を想像できるだろう。かわいい。昨夜の様子とは対照的に、子どもっぽい寝姿。
シーツがはだけて体がはみ出ている。口が少し開いている。ゆっくりした呼吸。完璧な無防備だ。
彼が眠っている隙に、私はちょっと彼を観察してみることにした。
こうしてじっくり見ていると、この人はいろんなところが端正にできている。
少し小柄だけど手足が長くて顔が小さい、要するに結構良いスタイル。バランスが適正だ。
白い、筋肉質でしまったふくらはぎ。しっかりとした質量を感じさせる腕。大きく厚い手。昨夜、この手が私の手を握ってくれた。
胸板がかなり厚く、肩のあたりの体の線が本当に芸術的だ。普段は防具で見えないことが多いから、あまり気づくことがなかった。
首の辺りまで視線をもっていく。ちょっと鋭角的な感じがする喉仏が目に入った。でも実際の声は柔らかく品がある感じがして、私は結構好きだったりする。そういえば近所の奥さんに「クラウドさんの声は声優のサクライ・タカヒロに似てる」と言われたことがあった。どんな声なんだろう?
起こしてしまわないよう控えめに、顔を覗き込んでみた。きれいで、少し女性的な顔立ちだ。シャープな輪郭、貝殻のような耳、最近ずいぶん血色の良くなった頬。先日ちょっとつまませてもらったとき、あんまり柔らかかったから何度もさわってしまった(もちろん、ちょっとは怒られた)。
口元のあどけなさ、赤さ。ここにかけては私は人一倍トークできる自信がある。いろいろ、知ってるから。
すらりと通った鼻筋。長いまつげ、整った眉。今は眠ってるから目に見えないけど、光の加減で不思議なグラデーションをする深く青い瞳。そして天使の金髪。
クラウドを見ていると、神様が人間を創り出したという神話を信じれる気がする。そこまでこの人の造形はすばらしくて魅力的だ。
もうちょっと見ていたいという気持ちが強かったけど、そろそろ朝の準備をしなければならない。ベットからおりて、服を着替える。階段を下りながら、やっぱり昨夜のことが心に焼き付いて離れない。
口下手な彼が自分をさらけ出して話してくれた。目を合わせて、手を握ってくれた。暖かく抱擁された。キスしてくれた。それから・・・・・
思い出して私は立ち止まった。ぎゅっと目をつむって、また昨夜のように泣き出してしまわないように気をつける。抱きとめてくれた彼は今は二階ですやすやと眠っている。
すぐに朝の準備をしなくてはならない。半分泣いているのを自覚していたけど、笑ってもいた。きっと他人からみたら変な顔なんだろう。でも嬉しいから仕方がない。
口下手な彼が自分をさらけだして言ってくれた言葉・・・・・・・・。
私もクラウドが好きだ。
―END―
昨夜改めて告白されちゃった。という設定であればいいのにな。先日「小説は説明ではなく描写だ」という言葉を見つけてドキッとしたことは内緒です。こうしてみると私の文章的写生能力がまったく伺えないというナイスな感じに悪い作品。(←そもそも作品なのか?という質問は耳が痛い限りです)だって声優の櫻井孝宏wwwwとにかく、短い。たいしたアイデアもなく間が持たなかったんでしょうね、きっと。次こそは。というかこのサイトのティファ率がちょっと高い気がする。開設当時はクラウド中心でいこうと思ってましたよ。まあ、まだ作品数が少ないのもあるんでしょうがっ。